タコ釣りを始めよう タコの釣り方 岸ダコ編

タコ釣り用具一式準備を終えたら、タコ釣りを始めてみましょう。
まずは岸ダコ(壁際のタコ釣り)から。

岸ダコとは、防波堤の壁際にタコジグなどの仕掛けを垂らしてタコを釣る方法を言います。正式名称は「岸壁のタコ釣り」らしいのですが、岸ダコの内容を正確に表しているのは「壁際のタコ釣り」だと思いますので、これからタコ釣りを始められる方向けに「岸ダコ(壁際のタコ釣り)」と記載しています。
岸ダコでタコを狙う場所は、海面から海底までの壁面と海底になります。

【壁面釣り】
防波堤の壁面にはタコの大好物の貝類がくっついており、さらには貝と貝の隙間にはこれまたタコの大好物のカニも生息しているので、これらを食べに来ているタコを狙う釣りになります。
釣り方ですが、仕掛けはタコジグを使用します。これを壁際に投入し、小刻みに揺らして誘いをかけます。反応がなければラインを少し送り、また揺らして誘いをかけます。これを繰り返しながら海底まで探っっていきます。着底したら海底でも揺らして誘いをかけ、反応がなければタコジグを壁から離すようにして巻き上げて回収し、少し移動して同じことを繰り返します。これをひたすら繰り返します。
一応ポイントは、潮流の変化が起きやすい防波堤の先端や、貝やカニが居つきやすいケーソンの継ぎ目などになりますが、夏のハイシーズンはタコ師さんの多くがそこを探っているので、何の変哲もない場所の方がタコが残っていたりもします。
なお、着底させてから少しずつ上に向かって探っていっても結果は同じではないかとの疑問を持たれる方もおられると思います。確かにその方が楽なのですが、タコジグの針は上向きのため、上に向かって探っていく方法だと貝と貝の間に針が引っ掛かりやすくなり、最悪タコジグをロストしてしまう場合もあります。よって、理論的には上から探っていくやり方が正解ということになるのです。着底後にタコジグを壁から離すように巻き上げるのも、巻き上げ途中で針が引っ掛からないようにするためになります。
さて、タコのあたりですが、少しずつ下げていたタコジグが下がらなくなったり、揺らすことができていたタコジグが揺れなくなったりします。このように何らかの違和感を感じたら、タコが乗っている可能性がありますので、しっかりタコに抱かせるためそのままタコジグを動かし続け、十分抱かせたら、速すぎないスピードで壁から離すように大きく合わせを入れて巻き上げます。壁から離すように合わせる理由は、壁面にいるタコは壁に張り付いて貝やカニなどを食べている状態ですので、壁から引き剥がすためと、タコでなかった場合に針が貝に引っ掛かるのを回避するためです。
巻き上げ時は竿を立てたままにし、ポンピングなしで巻き上げてください。満潮時や小さいタコの場合はそのまま巻いて抜き上げることも可能です。干潮時や大きめのタコの場合は、タコが海面まで来たらラインのテンションを張ったまま竿を下げて行き、一気に抜き上げてクレーンの要領で防波堤に着地させるようにしてください。なお、巻き上げ時のポンピングや、抜き上げ時のテンション緩ましはバラシの要因になりますので気を付けてください。また、とんでもなく大きいタコは念のためタモ網を使ってください。
「防波堤の壁面を海面から海底まで探っていく。別の場所で同じことを繰り返す。」というのは結構時間がかかり、思いのほか大変です。時間を短縮したい場合にはタコジグが連結された仕掛けもありますので、これらを使用してみるのもいいかもしれません。

【壁際の海底釣り】
防波堤の壁際の海底には、基本的に敷石が敷かれています。場所によっては、干潮時見ることができる石垣のように組み合わさったアレです。当然、石と石の間には隙間が生じます。この隙間にカニなどが生息しており、これを食べに来ているタコを狙う釣りになります。そのため、必然的にポイントは防波堤の先端やケーソンの継ぎ目などの壁際の海底や敷石の上になります。
釣り方はいたって簡単で、壁面をすっ飛ばして仕掛けを海底まで落とし、海底をトントンしてタコを誘い、反応がなければ少し移動してまたトントンする。これを繰り返すだけです。海底釣りに使う仕掛けは様々で、タコジグはもちろん、タコエギ、タコルアー、タコテンヤ、何でも使えます。
タコのあたりですが、トントンできていた仕掛けが動かなくなります。動かなくなればタコが乗っているか根がかりかゴミです。タコにしっかり抱かせるために仕掛けを動かし続けるのは壁面釣りと同じです。この時、慣れてくれば竿やラインに伝わってくる感触でタコか根がかりか判別できるようになります。タコの場合や柔らかく、根がかりが根石の場合はゴツゴツ感が伝わってきます。タコと判別できたなら、仕掛けを動かし続けたまま合わせの幅を大きくするため竿先を海面に下げながらラインを巻き、速すぎないスピードで大きく合わせます。時計の針で4~5時から11~12時まで合わせる感じですが、スピードが速すぎると身切れしてしまうことがあるので注意してください。壁際であたった場合は壁から少し離すように合わせ、敷石の上であたった場合は真上に合わせます。タコを巻き上げる方法は壁面釣りと同じです。
タコと判別できない場合または根がかりの場合は、今までトントンしていた方向や移動していた方向とは逆の方向に軽く聞き合わせを行います。聞き合わせの結果、軽めの根がかりの場合は外れてくれます。外れてくれない場合はタコの可能性もありますし、仕方ないので運を天に任せて大きく合わせてみましょう。

簡単な釣りではありますが、海底を探る釣りである以上根がかりのリスクとは常に隣り合わせです。それでも、リスクの発生率を下げる方法はありますので列挙しておきます。
➀仕掛け着底時に、仕掛けが敷石の間に入っていることに気づかないまま周囲も探ろうなどとうっかり横移動してしまうと、高い確率でロストにつながります。着底時は敷石の上なのか敷石の間なのか意識を高く持つようにしてください。
➁何も考えずにトントンするのではなく、海底の状況を把握するような意識でトントンしてください。例えば、トントンできていたのに急に深くなるようでしたら敷石の間の可能性があります。仕掛けをロストしないために、まっすぐ持ち上げて敷石の間を脱出し、少し動かして敷石の上に着底しなおすよう心がけてください。
➂防波堤の壁際をトントンしながら探り歩く=仕掛けを海底散歩させているような釣りですが、タコジグの場合は針が全方向に出ていますので、持ち上げずに横移動すると根がかり発生のリスクが高まります。面倒でも、いったん仕掛けを底から離してから横移動するようにしてください。
➃横移動をした際に仕掛けが動かなくなった場合は、これまでの進行方向とは逆の方向に仕掛けを引いてください。軽めの根がかりであれば十分外れてくれます。

補足として、これから広島でタコ釣りを始められる方は、岸ダコは海底釣りだけされてもかまいません。というのも、壁面釣りをするような水深がある防波堤がそんなにないのと、タコの実績がある防波堤は壁際トントンだけで十分釣れるからです。時間をかけて壁面を探るくらいなら、次の防波堤にランガンした方が釣果が上がると思います。
岸ダコは、「仕掛けを落として揺らすだけ、タコが乗ったら重いだけ、釣り味はない」とよく言われますが、実際に釣れると十分楽しいです。この楽しさを知っていただけたらと思います。

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